毎年のように発生する自然災害。その被災地では車が被災してしまうと、日用品を買いに行けなかったり、家屋のがれきを片付けるにも運べないなど、自由に身動きが取れなくなります。また被災された方を支援するNPO団体なども車を必要としています。このように被災地では車がないと、生活再建の一歩を踏み出すこともままなりません。当社では、このような災害時の支援として、車の寄贈や運搬、義援金募金、従業員募金、物資提供などを行っています。

 

今回はその取り組みの一つである、「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」について紹介します。

「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」へ参画

当社はこれまで、自然災害時に被災地でシェアリングカーを無償提供する活動を行っている一般社団法人日本カーシェアリング協会(以下、日本カーシェアリング協会)と協働し、車の寄贈、車の運搬・整備等の支援をしてきました。しかし昨今の自然災害の頻発や甚大化をうけ、さらなる支援体制の強化が必要であるとの考えから2021年7月21日に日本カーシェアリング協会と災害時における車両支援協定を締結するとともに、2021年7月28日に日本カーシェアリング協会を事務局として発足した「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」に参画しました。

 

 

2021年7月21日に日本カーシェアリング協会と災害時における車両支援協定を締結 
 左:日本カーシェアリング協会代表理事 吉澤 武彦氏  
 右:当社 代表取締役 社長執行役員 小林 喜夫巳
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2021年7月21日に日本カーシェアリング協会と災害時における車両支援協定を締結 
 左:日本カーシェアリング協会代表理事 吉澤 武彦氏  
 右:当社 代表取締役 社長執行役員 小林 喜夫巳

「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」

「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」とは、日本カーシェアリング協会を事務局に、アライアンスに参画する企業や団体が連携して、災害発生時に被災地へ迅速に車を届けることで、被災された方の生活復旧を支援することを目的とした、企業・自治体との災害支援ネットワークです。「モビリティ・レジリエンス」は、車が被災して困った状況を回復させる力という意味を表していています。

そして、
モビリティ・レジリエンスのロゴには、連携することで支援が拡大し、持続可能な仕組みが構築され、その上に車の支援を受ける被災者の笑顔が生まれるという願いが込められています。

アライアンスの具体的な内容

これまでの被災地でのシェアリングカー貸し出し支援の課題として、支援活動に使用する車両の確保や、貸し出しを行う拠点の確保等環境の整備に時間を要することがありました。その課題を解決し、被災地に迅速に車を届ける仕組みを作るために、主にこれまでの災害支援活動で連携した企業・自治体で構成する「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」が発足しました。

モビリティ・レジリエンス・アライアンスの概要

大規模災害で車を失い、移動に困難を抱える被災者の支援に向けて、平時から企業、団体、自治体と協定を結ぶことで、いざというときに迅速な支援を実現します。

モビリティ・レジリエンス・アライアンスの効果

支援企業や自治体が抱えていた各課題をアライアンスによって解決することができます。

垣根を超えた連携で、被災地への迅速な支援を実現する

モビリティ・レジリエンス・アライアンス発足時(2021年7月28日)における、当社以外の加盟団体・パートナー自治体(予定含)は以下の通りです。
 

・アドバンスクラブ(三井住友海上火災保険株式会社がサポートする自動車整備業代理店組織)
・石巻市
・エーモン工業株式会社
・一般社団法人日本カーシェアリング協会
・日本ミシュランタイヤ株式会社
・宮城県中古自動車販売協会・宮城県中古自動車販売商工組合(総称してJU宮城)
・ルート産業株式会社

 

そして、本アライアンスは、復興庁の「令和3年度地域づくりハンズオン事業」の対象としても選ばれています。ハンズオン事業とは、地域で課題解決に取り組む団体の伴奏型支援を復興庁が行うもので、その令和3年度の支援対象として本事業が採択され、2021年7月28日に日本カーシェアリング協会と復興庁、アライアンス加盟企業・団体の参加のもと「モビリティ・レジリエンス・アライアンス」発足記者会見が実施されました。

 

モビリティ・レジリエンス・アライアンス発足記者会見の様子
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モビリティ・レジリエンス・アライアンス発足記者会見の様子

一般社団法人日本カーシェアリング協会の代表である吉澤武彦氏は、発足記者会見でモビリティ・レジリエンス・アライアンスについての思いをこう述べられました。
「大規模災害が発生している被災地では、多種多様な支援が必要となり、より早く、確実に、そして適切な規模で実施することが重要です。それを実現するために、今回本アライアンスに賛同いただいた企業様と連携することで、今後の大規模災害において、迅速な支援を実現していきたいと考えています。また、現時点の参画企業等は8団体ですが、各地域の自治体とも話が進んでおり、今後、災害時に車に困らない社会の実現に向けて、2025年には100団体規模にアライアンスを拡大することを目指していきます。」

「クルマのことならオートバックス」として、地域に寄り添った支援活動に取り組む

被災地を支援することにおいて、義援金だけでなく、より当社の強みを生かした被災地に寄り添える支援ができないかと考えていたところ、日本カーシェアリング協会の活動を知り、2016年の熊本地震の際に初めて支援しました。それから現在に至るまで、車の寄贈、運搬、整備などを中心に支援しています。

今回のアライアンスをきっかけに、当社としてもさらに被災地に寄り添った支援ができればと考えています。

被災地では本当に車が日々の生活に欠かせない重要な存在であり、車が無い場合と比べて、自由に使える車があることで被災された方の生活再建は間違いなく進展します。被災した地域や被災者の方が日常を取り戻すための支援をすることは、地域の方に支えられ、共に歩んできた店舗を運営する当社にとって、使命であると考えています。

この瞬間にもいつどこで災害にみまわれるか分かりません。これまでの災害支援で築いた共助の輪をさらに広げ、さまざまな企業や自治体と連携し、災害時にクルマで困ることがない社会をつくっていきます。

平成28年熊本地震の寄贈車両
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平成28年熊本地震の寄贈車両
平成29年九州北部豪雨災害で被災地に運搬した車両
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平成29年九州北部豪雨災害で被災地に運搬した車両