TCFD提言に基づく情報開示

 当社は、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと位置付け、2022年6月にTCFD提言への賛同を表明しております。TCFD提言に基づき、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の枠組みに沿った情報開示を推進しております。

 2025年度には、Scope1およびScope2の排出量およびScope3の開示に向けた準備を進めております。また、CDPへの回答を通じて情報開示の質の向上を図っております。

気候変動対策に取り組むイニシアチブへの賛同

 当社グループは、TCFDコンソーシアムの後継組織である「GXフューチャー・コンソーシアム(GXFC)」に参画しています。
 GX フューチャー・コンソーシアム(旧TCFDコンソーシアム)は、TCFD提言に基づく企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげることを目的として、2019年に設立されました。
 当社グループでは、GX フューチャー・コンソーシアム(旧TCFDコンソーシアム)への参画を通じて、今後も情報開示のさらなる充実を図るとともに、脱炭素と経済成長の好循環の実現に寄与してまいります。
 

※:2026年4月、TCFDコンソーシアムを改組し、GXリーグの機能の一部を統合する形で、「GX フューチャー・コンソーシアム」として官民が連携してグリーン・トランスフォーメーション(GX)を推進する体制となりました。
(GX フューチャー・コンソーシアムウェブサイト:https://gx-future-consortium.go.jp/

ガバナンス

 当社は、サステナビリティに関する課題を重要な経営テーマと位置づけ、2021年1月に代表取締役社長をプロジェクトリーダーとする「ESG・SDGs推進プロジェクト」を設置いたしました。当該プロジェクトにおける議論および決定事項は取締役会へ報告され、承認ならびに必要な指示・監督を受けております。また、非財務KPIの進捗状況については、取締役会において年4回報告し、継続的なモニタリングを実施しております。さらに、KPIの見直しまたは変更が生じる場合には、適切な会議体において審議・決定を行っております。

 2023年4月には、「サステナビリティ基本方針」および関連方針を整備し、コンプライアンスの徹底とガバナンス体制の強化を図るとともに、ESGの視点を経営に組み込むことで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しております。

戦略

 当社は、気候変動がもたらすリスクと機会を、事業戦略策定上の重要な観点の一つとして捉えています。対象期間を2050年までとし、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した「1.5℃/2℃(未満)シナリオ」と、現在のペースで温室効果ガスが排出されることを想定した「4℃シナリオ」の2つを想定し、TCFD提言に沿って、気候関連リスク・機会を抽出しています。その上で、気候変動がもたらす移行リスクや物理的リスク、気候変動への適切な対応による機会を特定しました。

 「4℃シナリオ」においては、干ばつや大雨など異常気象が多発し、急性的な物理的リスクの影響により、物流センターやデータセンター、店舗の被災・休業、また冬季用品の需要減が発生する可能性があり、事業に甚大な影響を及ぼすことが想定されます。ただし、地域の分散やバックアップ体制を整備することで、物流センターおよびデータセンターの物理的リスクを最小限に抑えております。また、浸水リスク対策として、BCPの観点で立地選定や構造の工夫等を進めることにより物理的なリスクを最小限に抑えることができると考えます。商品においても気温帯の変化、消費行動の変化に見合う商品の投入を進めることにより、冬季商品需要減に伴う機会損失を最小限に抑えるための取り組みを進めています。

 「1.5℃/2℃(未満)シナリオ」においては、温暖化抑止を目的とした技術革新や規制強化が進み、社会が変化することが想定されるため、移行リスクの影響がより顕在化すると考えます。炭素税の導入、ZEB(ZeroEnergyBuilding)の標準仕様の義務化などの規制強化、電気料金の上昇などによるコスト増加が想定されますが、省エネの推進により、リスク低減を進めています。また炭素税や排出権取引の導入、ZEV(ゼロエミッション車)メーカーへの優遇政策や内燃自動車への規制強化等が進むことにより、エンジン搭載車の販売台数が急激に減少し、代わりにZEVの普及が急速に進むことが想定されますが、ZEVの拡販に伴う売上増に加え、ZEV推進のためのインフラ整備や拡充を積極的に進めることで、販売機会の拡大に努めてまいります。

 なお、気候変動の影響は中長期的に顕在化する可能性を有することから、外部動向の変化も踏まえ、定期的にリスク・機会の分析・評価の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させていきます。

■分析対象

  [事業] オートバックス事業、コンシューマ事業、ホールセール事業、拡張事業

  [範囲] 日本国内 事業所、直営および子会社店舗、物流拠点

  [期間]  2023年4月~2050年まで(短期:1年以内/中期:~2030年/長期:~2050年)

■分析ステップ

(1) 各気候関連リスク・機会要因が、分析対象範囲に及ぼし得る影響を網羅的に抽出

(2) (1)を俯瞰し、より発生可能性の高いリスクを整理

(3) 採用シナリオ(物理的リスク:RCP2.6・RCP8.5、移行リスク:NZE・STEPS)に基づき、「1.5℃/2℃(未満)」および「4℃シナリオ」下での事業インパクトの検証および財務的影響を算出

(4) (3)の結果への対応策を検討

■参照文献  気候変動監視レポート2023(気象庁)/日本の気候変動2020(文部科学省、気象庁)/IPCC・AR6統合報告書(WG1・WG2・WG3)/IEA Global EV Outlook 2023等

■物理リスク・移行リスク対応表

物理リスク: 気象災害の激甚化等の気候変動に起因するリスク

移行リスク: 温室効果ガス排出に関する規制等による低炭素経済への「移行」に起因するリスク

 

リスク管理

 当社は、全社的なリスクを統括する組織として、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、事業活動に内在するリスクを定期的に洗い出し、影響度および発生可能性に基づき重要リスクを特定しております。特に重要度の高いリスクについては優先的に対応策を検討し、未然防止の強化を図っております。

 また、重要リスクの状況は、取締役会へ報告され、各部門に対策など具体的な支援を実施しています。

 サステナビリティ関連のリスクおよび機会については、ESG・SDGs推進プロジェクトが中心となり、各事業より情報を収集し、リスクの特定および機会の識別を実施しております。また、気候変動に関するリスク・機会については、TCFD対応チームがシナリオ分析を通じて財務的影響を評価しております。

 これらの結果はリスクマネジメント委員会へ報告され、全社的なリスク管理に統合されております。

指標と目標

 当社は、温室効果ガス排出量削減を重要指標として設定し、2030年度までに、売上高原単位で2024年度比40%削減する目標を掲げております。2024年度実績は18.3(t-CO2/億円)であり、目標値は11.0(t-CO2/億円)であります。

 また、2050年度におけるカーボンニュートラル達成を目指し、取り組みを推進しております。

■2024年度
対象範囲:日本国内 事業所、直営および子会社店舗、物流拠点(223拠点)
算定期間:2024年4月1日~2025年3月31日

■2025年度
対象範囲:日本国内 事業所、直営および子会社店舗、物流拠点(307拠点)
算定期間:2025年4月1日~2026年3月31日

 

Scope 1:燃料の燃焼、工業プロセス等、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope 2:他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出

※Scope3排出量については、2026年8月に開示予定です。