当社グループを取り巻く外部環境は絶えず変化しつづけています。その変化の機微を感度良く捉え、お客様をはじめ関係する事業者、さらにはモビリティ業界全体に新たな価値を提供しつづける存在になるため、オートバックスグループは最先端の技術を積極的に取り込みながらDX(デジタルトランスフォーメーション)に挑戦しています。

今回は当社グループのDXへの取り組みについてご紹介いたします。

1)DX認定について

2022年3月、当社は経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」に認定されました。その後もDX推進を継続し、2024年2月に「DX認定」を更新いたしました。
「DX認定」とは「情報処理の促進に関する法律」に基づく認定制度で、経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応し、経営ビジョンの策定や戦略・体制の整備などDX推進の準備が整っている事業者を国が認定する制度です。
今回、当社の経営戦略がローリングプラン内で都度改善され、取り組みを継続していること、およびDXに関する取り組みの発信を増やしながら、その内容も高度化していることが評価され、DX認定を取得できたと考えています。


今後も当社は、長期ビジョンに掲げる「出かける楽しさを提案し続ける会社」を目指し、「小売業としての進化」「小売業からの進化」を実現するため、「お客様に満足を提供できる人材」、「デジタルリテラシーの高い人材」を増やしながら、DXを推進してまいります。

2)待ち時間予約システム(タイヤ・オイル交換)

待ち時間予約とは、オートバックス店舗で、オイル交換やタイヤ交換等の作業を希望されるお客様が、現在の待ち時間を電話ではなくWebサイトやアプリから確認することができ、店頭の待ち時間で作業の予約を入れられるようにすることで、お客様の「待つ煩わしさ」を低減する取り組みです。
店舗スタッフにとっても、電話による予約受付業務が効率化され、他のお客様への接客時間を増やせることに繋がり、結果として店舗に足を運んでいただけるお客様への満足度向上に寄与しています。
開発においては、クラウドを活用したインフラ設計やサーバ構築を行い、アプリ開発の工数と期間の低減に取り組みつつ、視認性を重視したフォントやカラーを採用し、お客様に使っていただきやすいUIにこだわりました。また、必要最低限の機器構成にすることで、各フランチャイズ加盟店へ導入しやすくしています。
直近ではオイルとタイヤのみの待ち時間の表示から、お客様からのお問い合わせの多い車検見積りや車査定、エアコンガス点検などのシーズンに応じた作業の待ち時間を表示できるように改良を行っています。

 

3)滞留通知システム

滞留通知システムは、売場に備え付けられたカメラが一定時間、その場に留まっているお客様を検知すると、店舗スタッフに通知し接客を促すシステムで、「商品の説明を詳しく聞きたい、相談したいと思っても、近くにスタッフがいなくて相談できなかった」というお客様の声から生まれました。
「目の届かない売場にお客様がいる」という気付きを与えてくれる仕組みは、人手不足が深刻化している小売業において、業務の効率化や、販売機会の損失を防ぐことにつながります。また、商品の説明や接客を希望されるお客様にとっても、相談できる機会が増えることで「スタッフから声をかけてもらえてスムーズに選べた」「選択に迷っていたが決断でき、満足のいく購買体験ができた」という満足につながります。
その他、お客様の滞留を知らせるだけでなく、売場を行き来する店舗スタッフを検知から除外する自動判別ロジックもAIにて実装するなど、開発面でもさまざまなアイディアを取り入れております。

4)デジタルラボのオープン

上記以外にも、本社2Fに、当社グループが取り組んでいる各種DXサービス・ソリューションを実際に体感・体験できる“デジタルラボ”をオープンしました。(主催:株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ)
顧客の利便性向上や店舗業務を効率化する各種ソリューションだけでなく、約280社への導入実績があるアルコールチェッカー「ALCクラウド」をはじめ、クルマに関わるさまざまな企業と連携し、「出かける楽しさを提案し続ける会社」を実現するためのカーライフ総合情報サイト「MOBILA」、小売業界にとどまらない電子棚札(小型電子掲示板)サービス、障害者等用駐車区画の管理システム「VEEMO Welfare」の展開も予定しております。
その他、社内外からのさまざまな意見を取り込み、より良いものにするため、全国展開を目指して実験中のサービスも実際に手に取って見ていただけます。今後の当社グループが送り出す、さらなるDXソリューションにもぜひご注目ください。

5)全社ITリテラシー教育

お客様が満足する価値を提供するためには、その実現に向けて専門スキルを身に付ける必要があります。お客様に新たな価値を提供し「小売業としての進化」「小売業からの進化」を加速させるため、デジタルリテラシーを高めDXを推進する取り組みとして「リスキリング」を推進しています。全社員が共通言語としてIT/DXを推進する土壌形成を実現するために、デジタルに関する新しい知識を習得し、自らの業務においてデジタルサービスを活用、またDX推進に伴って組織内で起きる変化に対応できるようeラーニングを導入しITスキルの底上げに取り組んでいます。

 

今後もお客様に新たな価値を提供し続けるため、最新技術を積極的に取り込みながら革新と成長に努めてまいります。