従業員の健康は会社の財産

当社は創業当時から、「従業員の健康は会社の財産である」との考えのもと、オートバックスの経営の三本柱のひとつとして「オートバックス健康法(西式健康法)を実践していました。現在は形を変え、心と体の両面を支えるための取り組みを進めています。

創業当時から従業員の健康を重視

もともと胃が弱かったオートバックスの創業者自身の体験から、病気を予防する東洋医学に基づいた運動や食事療法を実践できる「オートバックス大阪健康センター」という施設を東大阪に開設し、フランチャイズチェンのオーナーや、健康診断においてこのままでは生活習慣病になる可能性が高いなどの問題が発見された従業員を対象に、健康に関する研修を行っていました。研修は、免疫学に関する座学に加えて青汁や玄米等の健康食の実践や体操を行い、従業員自らが自分の体と健康について向き合う時間として、2013年まで多くの従業員が参加しました。

オートバックス1号店に隣接していた健康センター
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オートバックス1号店に隣接していた健康センター
参加者自ら青汁を作る授業
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参加者自ら青汁を作る授業
身体を温める味噌シップ講座
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身体を温める味噌シップ講座
健康センターのタイムスケジュール(ある一日の流れ)
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健康センターのタイムスケジュール(ある一日の流れ)

社会の変化に合わせて健康管理サポート体制を強化

現在は、より広く従業員とその家族の健康をサポートできるよう、「コラボヘルス(健康保険組合などの保険者と企業が協力)」に取り組んでいます。2011年にレセプトの電子化を機に、検診データとレセプトの突合による健康増進施策の実行に向け、健康保険組合の呼びかけで「会社、健保組合、労働組合、共済会」の4者がお互いにコミュニケーションを取りながら健康づくりを組織横断的に取り組むための「健康増進協議会」が発足しました。

これにより、それまで各組織が単独で実施してきた取り組みを連携して行うことが出来るようになりました。2013年には、「健康増進協議会」の決議により「糖尿病の若年化対策」として、生活習慣病対策と日頃から健康相談を受けられる健康管理室の設置など、従業員の健康増進の体制を強化し、2014年に「健康宣言」を発表しました。

 

2018年には、新たに「健康経営宣言」を発表し、「がん対策の推進」と「女性特有の健康関連課題への取り組み」を加えました。また、「健康増進協議会」は形を変えて「健康経営推進委員会」に引き継がれています。

 

2019年現在の健康宣言の取り組み項目は以下7つです。

 

  • 二次健康診断受診率100%を目指す
  • 生活習慣病予防対策を推進する
  • こころの健康づくりを推進する
  • 禁煙促進活動を推進する
  • 『健康経営』を推進する職場環境を整備する
  • がん対策の推進
  • 女性特有の健康関連課題への取り組み

 

具体的な取り組みとしては、定期健康診断で生活習慣病などの問題が発見された従業員に対し、「健康マネジメント研修」に参加することを義務づけ、生活習慣病の原因や、罹患した場合のリスク、食事や運動の重要性を伝え、病気を未然に防ぐことに注力しています。また、重症化予防プログラムとして、健康診断結果データに基づき健康保険組合員をグリーン、イエロー、レッド、ブラック、の4階層のリスク基準に分け、健康リスクの高いブラックゾーン判定者については、人事・総務部から直接本人に電話で受診勧奨をします。その後、産業医や保健師が受診勧奨を行い、実際に再受診をするまでモニターを続けます。その効果として、2014年度のブラックゾーン判定者16名のうち10名が現在(2019年)ではブラックゾーンから脱出しています。

禁煙推進企業コンソーシアムに参加

2019年、現在新たなチャレンジとして、東京に本社や事業所を置く企業を中心に、公益社団法人東京都医師会や公益財団日本対がん協会が連携し設立した「禁煙推進企業コンソーシアム」に参加しています。喫煙率は2014年当時からは下がってきているものの、いまだ高く、国内の平均が18%であるのに対し当社は37%という状況です。

禁煙に対する取り組み内容は、禁煙に向けた「たばこフリーサポートプログラム」として、業務時間中の喫煙を禁止するとともに、禁煙外来通院費を会社が負担し、卒煙サポートSNSを立ち上げるなど、仲間と一緒に、従業員が自主的に禁煙を目指せるようサポートしています。

食やスポーツからもサポートするオリジナルな健康管理の取り組み

この他に、従業員に寄り添った取り組みとして、食事の面から健康をサポートする「おかん食堂」サービスの導入や、運動面のサポートとして「企業対抗スポーツイベントへの参加」「クラブ活動支援制度」の設置やランチセミナーを行っています。

「おかん食堂」は野菜、肉、魚などのお惣菜を100円で購入でき、手軽にバランスのよい食事がとれるようにしています。

クラブ活動は、ランニング、フットサル、バスケットボール、テニスをはじめ複数のクラブがあり、身体を動かすだけでなく、スポーツを通じた社内コミュニケーションの強化にもつなげています。

定期的に実施しているランチセミナーでは、バランスボールを使い座ったままで出来る運動や、ストレスの低減や集中力向上に効果がある「マインドフルネス瞑想」、「上手な自己表現」、「落語DVD鑑賞会」、「RIZAP健康セミナー」等、さまざまなプログラムを用意して、隙間の時間で楽しみながら健康について考える場を提供しています。
参加者からは、お昼の時間で手軽に参加できるのが良いと好評です。

DBJ健康経営格付2019特別表彰を受賞

このようなさまざまな取り組みにより、2019年4月に、日本政策投資銀行(DBJ)が実施する「DBJ健康経営格付2019」において、当社は「従業員の健康配慮への取り組みが特に優れている」として、2015年、2017年に続いて3回にわたり最高ランクの格付を取得するとともに、格付け評価が傑出して高いモデル企業のみが該当する『特別表彰』を受賞しました。

受賞の主な理由として、「会社と健康保険組合、労働組合、産業医、外部専門家が連携した健康推進体制」「風土改革に向けた価値観表彰制度やアンケートによる働きやすい・働きがいのある職場づくりの推進」などがオリジナルの取り組みである点が評価されました。

 

価値観表彰制度は、大きな成果で注目を集める人、華やかな目立つ取り組みだけでなく、その場にいるだけで周囲が明るくなるムードメーカーの人、人の話をよく聴き気付きを与え背中を押している人、大勢に見られていなくても小さな努力を積み重ね、最後まで結果にこだわる人など、私たちの職場にはキラリと光る行動をする人があちこちにいます。

そうした人たちの行動に、感謝し、称賛することによって、よりよい企業風土をつくりたい、そういった想いからこの取り組みを開始しました。

初の開催となった2018年度は、のべ114名の方が価値観表彰を受賞しました。

受賞者のみなさん
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受賞者のみなさん
受賞者同士手をつないで一致団結
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受賞者同士手をつないで一致団結
記念品の名札フォルダーと受賞理由がデザインされたピンバッジ
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記念品の名札フォルダーと受賞理由がデザインされたピンバッジ

当社は、企業活動を実践するのは人であり、役員および従業員一人ひとりが自らの健康の維持増進に高い意識を持つことが、日々の業務においても最高のパフォーマンスを発揮するための重要な基盤であると考えています。

今後も、100年企業を目指して、従業員のこころとからだの健康に関する取り組みを推進し健康意識の高い健全な心身を持った人材づくりを行うことで、広く社会に貢献する企業を目指します。