2021年4月20日、当社は日産自動車株式会社(以下、日産自動車)と、カー用品およびNISSAN/NISMOブランドグッズに関する領域で業務提携を行いました。それから約半年、カー用品の供給開始につづき、11月には特別仕様車「キックス コロンビアエディション(限定500台)」のインテリアアイテムを企画・開発するなど、順調に日産自動車との協業が進みつつあります。

 

今回は、日産自動車との協業により自動車関連市場でシナジーを生み出す具体的な取り組みや成果、そして将来の展望などをご紹介します。

自動車メーカーとカー用品に強みを持つ当社。それぞれの経営資源を生かした協業

本協業は、日産自動車と当社がそれぞれ有する商品やノウハウ、国内外の販売ネットワークを活用することで、さまざまなお客様のライフスタイルに合わせた新たな付加価値を提供することを目指しています。日産自動車においては自社のカー用品の強化ができるとともに、当社においては新しい商品開発や販路拡大の可能性が見込めると捉えています。

 

この協業の意義について、日産自動車のプロジェクト推進担当は「自動車関連市場全体にまで視野を広げてみたとき、従来のようなアフターマーケット市場を”競合”ではなく”協業”としてみていくことが不可欠だと考えました。お客様を奪い合うのではなく、一緒により多くのお客様を集め、分け合っていく。さらには一緒に他のマーケット(例えばレジャー、観光など)からもお客様を獲得していくことができれば、縮小傾向であった自動車関連市場を押し広げていくこともできる」と考えており、当社の5ヵ年ローリングプランにおけるネットワークの考え方と通底しています。

タスクチームによるプロジェクト推進

この協業を発表してから、2社間でタスクチームを構築し、討議を重ねてまいりました。タスクチームは両社合わせて30名程度で構成し、うち当社メンバーは14名を中心に、それぞれ国内協業/海外事業など6つの分科会から構成されています。また、各タスクチームには当社の関連する事業の執行役員も参画し、当社一丸となってこのタスクを推進しています。

 

いずれのタスクチームにおいても、当社にとっては経験のない領域での取り組みであり、新たなスキーム構築は一つの部署だけでは完結できません。窓口となっている部門はすべてのタスクに参画するだけでなく、商品の供給は商品部門、商品の発送・納品に関しては流通部門、支払処理は経理・財務部門など、社内連携も並行して進めています。社内外で連携し、新たな価値を生み出しているということは、メンバーにとっては貴重な経験であり、厳しさの反面やりがいや成長にもつながっています。

洗車やカー用品の供給・販売を開始

協業の皮切りとして、当社で取り扱う車内用品や洗車用品などのカー用品を、日産自動車へ供給・販売を開始しました。

具体的には、バケツ、シャンプー、スポンジ、カーワックス、傘入れ、USB電源、スマホホルダー、ダストボックス、掃除機などです。クルマに乗るうえで利用頻度の高い車内空間を快適にしたり、クルマを掃除したりするアイテムをそろえました。2021年6月から供給を開始し、8月からは日産自動車のオプションカタログにも掲載されました。そのほか日産自動車アクセサリー紹介サイトにも当社取扱商品専用ページ(https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/)が設けられ、順次、新型車のオプションカタログに掲載される予定となっています。


今後は、さらに車内アクセサリー、季節商品などのラインアップ拡大を検討するとともに、協業による商品開発も当社から提案していきたいと考えています。

「オートバックス取扱商品」は、2021年8月17日より販売を開始した
日産自動車の新型車『AURA(オーラ)』のカタログにも掲載されています
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「オートバックス取扱商品」は、2021年8月17日より販売を開始した
日産自動車の新型車『AURA(オーラ)』のカタログにも掲載されています

車種専用のカー用品の開発「キックス コロンビアエディション」

2021年11月には車種専用のカー用品として、日産自動車と総合アウトドアメーカーのコロンビアスポーツウェアジャパンが共同企画した特別仕様車「キックス コロンビアエディション」の付属インテリアアイテムの企画・開発を行いました。(リリース:オートバックスセブン、日産自動車とコラボアイテムを製作

 

インテリアアイテムは3点で、フロントシートエプロン(運転席・助手席)、シートバックポケット(運転席・助手席)、ラゲッジシートです。カーライフとアウトドアライフを同時に楽しみたい方に向けて、洋服や荷物が少し汚れた状態でも気兼ねなくクルマに乗り込んでも、シートやラゲッジルームへのダメージが少なくなるよう、耐久性や防水性に優れた素材を採用しています。

 

特にシートバックポケットは、コロンビアの代表的なプロダクトである「マルチポケットフィッシングベスト」を参考に、使いやすさや機能性を追求したデザインとなっています。フィッシングベストの特徴でもある大小さまざまなポケットや防水性に加え、クルマの中での利便性を加味したティッシュホルダーやドリンクホルダーを備えました。

今回のインテリアアイテムの企画・開発では、当社における商品開発フローにおいても新たな取り組みとなりました。通常、当社の商品開発は、当社が収集したお客様ニーズをもとに、仕入先に提案し開発することが大半でした。しかし、今回の協業においては、卸先となる日産自動車の課題やニーズを受け、そこに当社のノウハウを融合し、開発にあたりました。その結果、お客様のニーズに対し、各社の知見を持ち寄ることができたのではないかと考えます。

 

また、デザイン開発においては、実車でのサイズ調整や確認が欠かせません。開発期間中は、当社開発メンバーが、頻繁に日産自動車の本社および開発を行っているテクニカルセンターに出向き、3社間でデザインの細部までこだわり、試行錯誤を繰り返しました。デザインが決定してから、実際に商品を納入するまでには、コロナ禍での原材料調達の遅延などに見舞われながらも、期日に間に合わせ、特別仕様車のリリースにつなげることができました。

当社にとっては経験のない商品企画・開発でしたが、各社さまざまな視点での商品企画・開発を通し、よりよい商品を生み出すことができました。当社は、今後もこのような車種別の商品を提案していきたいと考えています。

 

このほかにも、NISSAN/NISMOブランドグッズといった純正グッズの共同企画・開発を推進しています。加えて、お客様向けコラボレーションイベントの共同開催や、日本国内だけでなく海外における商品供給などを計画しています。

自動車関連市場全体でのシナジーを生み出す

BtoB事業担当 執行役員 北川幸弘
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BtoB事業担当 執行役員 北川幸弘

この協業によって、両社のリソースやノウハウを活用した新たな価値を持つ商品・サービスの開発を行い、自動車関連市場全体でのお客様のカーライフの利便性を高め、楽しんでいただきたいと考えています。

 

当社執行役員の北川は、こう話します。

この業務提携の主な目的は、コラボレーションによる他社にない魅力的な商品・サービス・イベントなどの展開による両社にとっての集客拡大です。今回の提携でカー用品の供給を行っていますが、それはこの協業の一部でしかなく、海外でのグローバル展開や、販路拡大など、協業によるシナジーを生み出していくことを目指しています。

またそのシナジーは、推進しているBtoB事業だけでなく、当社の基幹事業である国内オートバックス事業へとつなげていくことも視野に入れています。」

 

「すでに発表された「キックス コロンビアエディション」では、アウトドア志向のお客様をターゲットとしていますが、近いうちに当社のコア顧客のひとつであるクルマの走りを追求したいお客様がワクワク・ドキドキするようなイベントを検討しています。また、他の顧客層に向けても、この協業を通じこれまでにない新たな提案を検討していきたいと考えます。

このように、両社が持つ経営資源を生かした更なる協業を進めています。その結果、当社も日産自動車も成長するとともに、自動車関連市場全体への影響力を与え、マーケットの拡大と成長に寄与できるものと確信しています。今後の取り組みにも、ぜひご注目ください。

お客様のカーライフがより豊かになることを目指して当社のチャレンジは続きます。