トップメッセージ

DXの推進を通じ、お客様とのつながりを深め、さらなる利便性の向上と新たな価値の提供を追求してまいります

 

近年、デジタル技術の進展により、社会全体の情報収集や購買行動は大きく変化しています。自動車業界では、電動化や自動運転など、車そのものの技術革新が加速し、製造から販売、そしてサービスに至るまでのバリューチェーンについても見直しが進んでいます。また、小売業界では、Eコマースとの競争が激化し、実店舗にはオンラインとの融合による新たな体験価値の提供が求められています。

このような環境変化の中、新たな体験価値の創出を始め、競争力の強化を図るために、DXの推進は不可欠な要素です。

 

当社は、DXを通じて、お客様とより深く、長く、そして直接的につながることを目指し、「デジタルエコシステムによるCustomer Deep Engagementの実現」をDXビジョンに掲げています。このビジョンを実現するため、現在、「チャネルシフトによるマーケットの拡大」「デジタル技術を活用した店舗オペレーションの効率化」「データ蓄積と活用による顧客利便性の向上」を戦略の柱に据えた取り組みを推進しています。

取り組みの例としては、公式アプリの機能強化やオンライン接客の拡充、顧客データと車両データの連携により、お客様をより深く理解し、その煩わしさや、お困りごとを解消することによる利便性の向上等が挙げられます。

 

DXを活用し、新たな提供価値を創出することで、お客様との関係をより深化させる仕組みを構築しながら、今後も、パーパスである「社会の交通の安全とお客様の豊かな人生の実現」に向け、経営と連動したDXを強力に推進してまいります。

代表取締役 社長

堀井 勇吾

ビジョン

DXビジョン

 

デジタルエコシステムによる

Customer Deep Engagementの実現

 

お客様とより深く、長く、直接的につながることを目指す。

DX戦略

オートバックスセブンのDXビジョンは、「デジタルエコシステムによるCustomer Deep Engagementの実現」です。当社は、お客様とより深く、長く、そして直接的につながることを目指し、「チャネルシフトによるマーケットの拡大」「デジタル技術を活用した店舗オペレーションの効率化」「データ蓄積と活用による顧客利便性の向上」を戦略の柱として位置付けています。

戦略方針1.チャネルシフトによるマーケットの拡大

 

  • 店舗中心の販売・サービス提供から、ECサイト、モバイルアプリ、SNSなどのデジタルチャネルへと顧客接点を拡張
  • オンラインとオフラインの統合により、シームレスな購買体験を提供
  • データ分析を活用し顧客行動を可視化することで、パーソナライズされた提案やプロモーションを実施し、リピート率と売上を最大化

戦略方針2.デジタル技術を活用した店舗オペレーションの効率化

 

  • 在庫管理の自動化や、セルフレジ・モバイルオーダーによって会計業務を省力化
  • スタッフの業務支援に向けたデジタルツールの導入により、業務負荷を軽減し、サービス品質を向上
  • リアルタイムデータの活用により、店舗運営の最適化と迅速な意思決定を実現

戦略方針3.データ蓄積と活用による顧客利便性の向上

 

  • 購買履歴、行動データ、問い合わせ内容などを統合的に収集・管理し、AIによる分析で顧客ニーズを可視化
  • パーソナライズされた商品提案やタイムリーな情報提供により、顧客満足度とリピート率を向上
  • データに基づくサービス改善や業務効率化を通じて、顧客との接点を強化
  • プライバシー保護とセキュリティ対策を徹底し、信頼性の高いデジタル基盤を構築

DX推進体制

当社は、急速に変化するビジネス環境に対し、スピード感と柔軟性をもって対応するため、2023年4月に株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ(ABDi)を子会社化しました。ABDiは、グループ全体のITおよびDX推進を担う中核組織として、業務改革や労働生産性の向上を図るとともに、顧客起点で価値を創造し、市場における競争優位性の確立を目指すDX戦略子会社です。

DXの推進にあたっては、代表取締役社長が統括責任者として全体を指揮し、IT管掌、各部門長、事業部長、子会社社長が実務責任者としてABDiと連携しながら、DX戦略の企画および実行を担っています。

目標指標

IT投資

当社は、DX関連のバリューアップ投資比率を、2022年度の28%から2032年度までに40%へ引き上げることを目指しています。

データ分析人材の育成

中期経営計画および長期ビジョンの実現に向けて、デジタルリテラシーを備え、顧客満足を提供できる人材の育成を強化しています。業務改善や新たな価値創出に資するIT/DX研修を継続的に推進し、2030年までに320名の教育受講者の育成を目指しています。

取り組み事例

チャネルシフトによるマーケットの拡大

オートバックス公式アプリの利便性向上

ピット作業予約機能に加え、主要メンテナンス項目(エンジンオイル、タイヤ、バッテリー、ワイパーなど)の作業履歴や次回交換のお知らせ機能、点検結果の即時確認機能など、随時機能の拡充を実施し、お客様の利便性を高めています。

MOBILA(モビラ)カーライフ総合情報サイト

MOBILAは、当社が提供するカーライフ総合情報サービスです。「クルマで出かける楽しさ」をテーマに、情報提供やサービス予約などの機能を通じて、顧客とのデジタル接点を拡張し、オンラインチャネルの利便性を高めています。

ラストワンマイル対策

ECサイトで注文した商品を全国の店舗で受け取れるサービスを展開しています。これにより、配送のラストワンマイルの効率化を図るとともに、迅速な商品提供と顧客利便性の向上を実現しています。

デジタル技術を活用した店舗オペレーションの効率化

オンライン接客サービス

ドライブレコーダーなどの特定商品に精通した専門スタッフが、リモートでお客様のニーズに合わせた接客を行う取り組みを推進しています。これにより、顧客体験(CX)の向上と店舗スタッフの負荷軽減に貢献しています。

待ち時間予約システム

タイヤ・オイル交換などの作業の待ち時間をWebやアプリで確認・予約できる仕組みを導入し、顧客の利便性を向上させるとともに、店舗の業務効率化にも貢献しています。

ピットの見える化

ピットエリアにAIカメラを設置する取り組みを進めています。作業中の車両の様子をお客様がリアルタイムで視覚的に確認できる「ピットの見える化」を実現し、作業の透明性を高めることで、信頼と安心感のあるサービス提供につなげています。

データ蓄積と活用による顧客利便性の向上

データマネジメントセンタープロジェクトの推進

ECサイトや店舗など複数のチャネルから収集したデータを活用し、より豊かな顧客体験の提供を目指しています。メールアドレスや車両情報などのユニークデータをもとに、お客様一人ひとりにパーソナライズされた商品やサービスを提案することで、利便性と満足度の向上につなげています。

オートバックス公式アプリへの「車のカルテ」機能の導入

お客様の登録車両に関するエンジンオイル、タイヤ、ワイパーなど主要7項目のメンテナンス情報をアプリ上で確認できる機能を提供しています。また、交換時期の到来をプッシュ通知で知らせることで、お客様の愛車のメンテナンスの遅れや漏れを予防し、利便性の向上を図っています。

ピットサービスの高度化と透明化

お客様に安全・安心なサービスを提供するため、店舗向けにテクニカルサポートセンターを設置し、そこで収集したデータをデータベース化しています。これらの情報をグループ内で共有することで、技術やノウハウの標準化を進め、作業品質の均一化とサービスの質向上に取り組んでいます。

DX人材育成

オートバックスセブンでは、中期経営計画および長期ビジョンの実現に向けて、DX人材の育成を推進しています。 デジタルリテラシーと顧客満足の提供力を備えた人材の強化を目的に、IT/DXに関するリスキリングプログラムを展開しています。また、デジタル技術や顧客データを活用し、新たな価値を創出できる高度IT人材の育成にも取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、DXによる購買体験の高度化を実現し、 オートバックスならではの付加価値の提供を目指しています。

データ分析人材基礎研修の様子
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データ分析人材基礎研修の様子

外部評価

当社は、2022年3月1日付で「DX認定事業者」として、経済産業省より認定を受けました。DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、 デジタル技術による社会変革に対応するために、経営者に求められる項目を整理した「デジタルガバナンス・コード」の基本事項に沿って取り組む企業を、国が認定する制度です。